Cursor IDE完全ガイド 2026 — AIコードエディタの使い方・設定・活用術
「コード補完ツールを入れたけど、思ったより使えない」「GitHub Copilot は使っているが、もっと AI にコードを書かせたい」
こうした不満の答えが Cursor だ。Cursor は VS Code をフォークして構築された次世代 AI コードエディタで、補完にとどまらず チャット・マルチファイル編集・コードベース全体の理解 まで一体化している。2024〜2026 年にかけて急速に普及し、プロフェッショナルな開発者のワークフローを根本から変えつつある。
この記事では Cursor のインストールから実務レベルの活用テクニック、競合ツールとの比較まで、コード例とショートカットを交えて完全解説する。
1. Cursor IDE とは — VS Code フォークの次世代 AI エディタ
1-1. Cursor の誕生と設計思想
Cursor は Anysphere 社が開発する AI ファーストなコードエディタだ。Microsoft の VS Code をオープンソースフォークとして使い、その上に AI 機能を深く統合している。
重要なのは「AI をアドオンとして追加した」のではなく、「AI を前提としてエディタを再設計した」 点にある。
┌─────────────────────────────────────────────────────────────┐
│ Cursor のアーキテクチャ概念図 │
├───────────────────────────────────────────────────────────┤
│ │
│ ┌─────────────────────────────────────────────────┐ │
│ │ Cursor UI Layer │ │
│ │ Tab補完 │ Chat │ Composer │ .cursorrules │ │
│ └─────────────────────────────────────────────────┘ │
│ │ │
│ ┌─────────────────────────────────────────────────┐ │
│ │ AI モデルレイヤー │ │
│ │ GPT-4o │ Claude 3.5/3.7 │ Gemini │ cursor-small│ │
│ └─────────────────────────────────────────────────┘ │
│ │ │
│ ┌─────────────────────────────────────────────────┐ │
│ │ VS Code コアエンジン │ │
│ │ 拡張機能・テーマ・設定・言語サーバー完全互換 │ │
│ └─────────────────────────────────────────────────┘ │
│ │
└─────────────────────────────────────────────────────────────┘
1-2. VS Code との違い
Cursor は VS Code と ほぼ完全に互換性がある。設定・拡張機能・キーバインドをそのまま引き継げるため、移行コストが極めて低い。違いは AI 機能の深度にある。
| 機能 | VS Code + Copilot | Cursor |
|---|---|---|
| インライン補完 | あり | あり(Copilot++ でより精度が高い) |
| チャット | あり(Copilot Chat) | より高度(コードベース全体参照) |
| マルチファイル編集 | なし(手動) | Composer で自動 |
| .cursorrules | なし | プロジェクト固有 AI ルール設定 |
| コードベースインデックス | 限定的 | リポジトリ全体をベクトル化 |
| 利用モデル | GPT-4o 固定 | GPT-4o/Claude/Gemini 選択可 |
1-3. なぜ今 Cursor なのか
2026 年現在、AI コーディングツールは第 2 世代に突入している。第 1 世代(GitHub Copilot 登場期)は「1 行補完」が主流だったが、Cursor が切り拓いた コンテキストアウェアな会話型編集 が新標準になりつつある。
実際、Stack Overflow の 2025 年開発者調査では Cursor が「最も使いたいエディタ」部門で VS Code に次ぐ 2 位に浮上した。Y Combinator のスタートアップの 60% 以上が Cursor を採用していると報告されている。
2. インストール・VS Code からの移行
2-1. インストール手順
Mac の場合
# Homebrew でインストール(推奨)
brew install --cask cursor
# または公式サイト https://www.cursor.com からDMGをダウンロード
Windows の場合
公式サイト(https://www.cursor.com)から .exe インストーラーをダウンロードして実行する。
Linux の場合
# AppImage 形式でダウンロード後
chmod +x cursor-*.AppImage
./cursor-*.AppImage
2-2. VS Code からの設定引き継ぎ
Cursor を初回起動すると 設定インポートウィザード が表示される。
Import from VS Code
━━━━━━━━━━━━━━━━━
☑ Extensions (拡張機能をすべてインポート)
☑ Keybindings (キーバインドをインポート)
☑ Settings (settings.json をインポート)
☑ Snippets (スニペットをインポート)
☑ Profiles (プロファイルをインポート)
[Import] [Skip]
「Import」を選択するだけで VS Code の環境がそのまま Cursor に移植される。
手動でインポートする場合:
# VS Code の設定ディレクトリ(Mac)
~/.config/Code/User/
# Cursor の設定ディレクトリ(Mac)
~/.config/Cursor/User/
# ファイルをコピー
cp ~/.config/Code/User/settings.json ~/.config/Cursor/User/
cp ~/.config/Code/User/keybindings.json ~/.config/Cursor/User/
2-3. 初期設定(AI モデル選択)
Cursor Settings(Cmd+, → Cursorタブ)から利用する AI モデルを設定する。
Models
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● claude-3.7-sonnet (推奨・コーディング最高性能)
○ claude-3.5-sonnet
○ gpt-4o
○ gpt-4o-mini
○ gemini-2.0-flash
○ cursor-small (高速・軽量タスク向け)
2026 年現在の推奨設定:
- メインモデル:
claude-3.7-sonnet(コーディング精度が最も高い) - 高速タスク:
cursor-small(Tab 補完・簡単な質問)
3. 主要機能徹底解説
3-1. Tab 補完(Copilot++)
Cursor の Tab 補完は GitHub Copilot の補完よりも文脈理解が深い。カーソル位置だけでなく、最近編集した箇所・会話履歴・プロジェクト構造 を考慮して補完候補を生成する。
基本操作:
| ショートカット | 動作 |
|---|---|
Tab | 補完を受け入れ |
Escape | 補完を却下 |
Cmd+→ | 単語単位で部分受け入れ |
Cmd+↓ | 行単位で部分受け入れ |
Alt+\ | 補完を手動トリガー |
Copilot++ の特徴 — 予測編集(Predictive Edit):
Cursor の Tab 補完が GitHub Copilot と大きく異なる点が 予測編集だ。ある変数名を変更すると、Cursor は「同じファイル内のほかの関連箇所も変えるべきでは?」と先回りして提案する。
// 変更前: userId を accountId にリネームしようとしている
function fetchUser(userId: string) {
const user = db.users.find(u => u.id === userId); // ← ここを accountId に変えると
return user;
}
// Cursor が自動で以下の変更も Tab で提案してくる
function fetchUser(accountId: string) { // ← 引数名も変更
const user = db.users.find(u => u.id === accountId); // ← 参照も変更
return user;
}
このような 連鎖的な変更提案 は従来の補完ツールにはない Cursor 独自の能力だ。
3-2. Chat 機能(コンテキスト指定 @記法)
Cmd+L で Chat パネルを開ける。Cursor の Chat で強力なのが @ 記法によるコンテキスト指定 だ。
@ 記法一覧:
@file 特定ファイルをコンテキストに追加
@folder フォルダ全体をコンテキストに追加
@codebase リポジトリ全体をベクトル検索
@web Web 検索結果をコンテキストに追加
@docs 特定のドキュメント(公式ドキュメント等)を参照
@git git の変更差分をコンテキストに追加
@terminal 最新のターミナル出力をコンテキストに追加
@lint 現在の Lint エラーをコンテキストに追加
実践的なプロンプト例:
# ファイルを指定してコードレビューを依頼
@src/api/auth.ts のコードをレビューして。
セキュリティ上の問題点があれば指摘してください。
# コードベース全体を検索して実装を確認
@codebase でユーザー認証の実装がどこにあるか調べて、
それを参考に OAuth ログイン機能を追加してください。
# エラーを貼り付けて原因を調査
@terminal のエラーを見て、なぜ型エラーが出ているか教えて。
# Web 検索と組み合わせて最新情報を取得
@web React 19 の useOptimistic フックの使い方を調べて、
@src/components/Form.tsx に実装してください。
Chat でのベストプラクティス:
❌ 悪いプロンプト:
「バグを直して」
✓ 良いプロンプト:
「@src/utils/date.ts の formatDate 関数が
タイムゾーンを考慮していないため、UTC+9 環境で
1日ずれる問題があります。
@terminal のエラーを参考に、moment.js を使わずに
date-fns で修正してください。」
3-3. Composer(マルチファイル編集)
Composer は Cursor 最大の差別化機能だ。Cmd+I(インラインComposer)または Cmd+Shift+I(フルComposer)で起動する。
Composer の特徴:
- 複数ファイルにまたがる変更を一括で実施
- 変更内容を diff 形式でプレビューしてから適用
- 「元に戻す」も変更単位で可能
実践例 1 — 新機能の追加:
Composer へのプロンプト:
「ユーザープロフィール画像のアップロード機能を実装してください。
要件:
- フロントエンド: React + TypeScript
- ドラッグ&ドロップに対応
- 5MB 以上のファイルはエラー表示
- JPEG/PNG/WebP のみ許可
- アップロード中はローディングスピナーを表示
- バックエンド: @src/api/ 配下に API エンドポイントを追加
- 既存の @src/components/UserProfile.tsx に統合
- @src/types/user.ts の型定義も更新」
→ Cursor が以下を自動生成・編集:
- src/components/ImageUploader.tsx (新規)
- src/api/upload.ts (新規)
- src/hooks/useImageUpload.ts (新規)
- src/components/UserProfile.tsx (編集)
- src/types/user.ts (編集)
実践例 2 — リファクタリング:
「@src/utils/ 配下のすべてのユーティリティ関数を
CommonJS (require/module.exports) から
ES Modules (import/export) に移行してください。
また、JSDoc コメントを追加し、
対応するユニットテストを @src/__tests__/ に作成してください。」
Composer の操作フロー:
1. Cmd+Shift+I で Composer を開く
2. プロンプトを入力して Enter
3. Cursor が変更計画を立案・実行
4. 差分プレビューが表示される
CHANGES
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
✚ src/components/ImageUploader.tsx (+145 lines)
✚ src/api/upload.ts (+67 lines)
✎ src/components/UserProfile.tsx (+23, -5 lines)
✎ src/types/user.ts (+8 lines)
5. [Accept All] または個別ファイルの [Accept] / [Reject]
6. 追加の修正依頼も続けてチャットで指示できる
Composer 活用のコツ:
# 段階的に依頼する(一度に詰め込みすぎない)
Step 1: 「型定義ファイルを先に作ってください」
Step 2: 「その型を使って API エンドポイントを実装」
Step 3: 「フロントエンドコンポーネントを実装」
# テストと実装を同時依頼する
「実装とともに Vitest でのユニットテストも作成して。
カバレッジ 80% 以上を目標にしてください。」
3-4. .cursorrules ファイルの活用
.cursorrules はプロジェクトのルートに置く設定ファイルで、AI に対してプロジェクト固有のルール・コーディング規約・禁止事項 を伝えられる。CLAUDE.md や GitHub Copilot の .github/copilot-instructions.md に相当する概念だ。
基本的な .cursorrules の例(Next.js + TypeScript プロジェクト):
# プロジェクト: MyApp
## 技術スタック
- Next.js 15 (App Router)
- TypeScript 5.x(strict モード必須)
- Tailwind CSS v4
- Prisma + PostgreSQL
- React Query v5
## コーディング規約
### TypeScript
- `any` 型は絶対禁止。`unknown` を使って型ガードを実装すること
- すべての関数に戻り値の型注釈を明示すること
- `interface` より `type` を優先する
- `enum` は禁止。const オブジェクト + as const を使うこと
### React
- クライアントコンポーネントには必ず 'use client' を記述
- Server Components をデフォルトとし、必要な場合のみ Client Components にする
- useEffect の依存配列は省略禁止
- Props には必ず型定義をつける
### ファイル構成
- コンポーネント: src/components/{ComponentName}/index.tsx
- API ルート: src/app/api/{endpoint}/route.ts
- 型定義: src/types/{domain}.ts
- ユーティリティ: src/lib/{name}.ts
### 命名規則
- コンポーネント: PascalCase
- 関数・変数: camelCase
- 定数: UPPER_SNAKE_CASE
- ファイル名: kebab-case
## 禁止事項
- console.log は本番コードに残さない(デバッグ後は削除)
- any 型の使用
- // @ts-ignore コメント
- 環境変数のハードコード(必ず process.env 経由)
## テスト
- ユニットテストは Vitest + Testing Library
- E2E テストは Playwright
- すべての新機能には対応するテストを書くこと
高度な .cursorrules の設定例(チーム開発向け):
## AI への指示
### コードを書く際の原則
1. まず既存のコードパターンを @codebase で確認してから実装する
2. 新しいライブラリを追加する前に必ずユーザーに確認する
3. 破壊的変更(API の変更・DBスキーマ変更)は必ず警告を出す
4. セキュリティに関わる実装(認証・認可・暗号化)は特に慎重に
### エラーハンドリング
- すべての async 関数は try-catch で適切にエラーハンドリングする
- エラーは Error クラスを継承した独自クラスで表現する
- エラーログには必ずスタックトレースを含める
### パフォーマンス
- データフェッチは React Query でキャッシュ管理する
- 画像は必ず next/image を使う
- 重いコンポーネントは dynamic import で遅延ロードする
## 禁止されているパッケージ
- moment.js(date-fns または dayjs を使うこと)
- lodash(ネイティブ JS または remeda を使うこと)
- axios(fetch または ky を使うこと)
.cursorrules のベストプラクティス:
✓ 具体的に書く(「良いコードを書く」ではなく「any型は禁止」)
✓ チームで合意したコーディング規約をそのまま書く
✓ プロジェクトの文脈(どんなアプリか)を冒頭に記載する
✓ git でバージョン管理してチームで共有する
✓ 定期的に見直して不要なルールを削除する
✗ 長すぎるルール(AI が読み切れない可能性)
✗ 矛盾するルール
✗ 絶対に守れないルール
4. 効果的な使い方テクニック集
4-1. コードベースインデックスの活用
Cursor はプロジェクトを開くと自動的にコードをベクトルインデックス化する。これにより @codebase で自然言語検索が可能になる。
「@codebase でユーザー認証ロジックがどこに実装されているか探して」
→ src/lib/auth.ts, src/middleware.ts が見つかる
「@codebase で未使用のユーティリティ関数がないか確認して」
→ src/utils/deprecated-helpers.ts の 3 関数が未使用と報告される
4-2. エラーデバッグの効率化
# ターミナルでエラーが発生した場合
$ npm run test
FAIL src/utils/date.test.ts
● formatDate › should handle timezone offset
TypeError: date.toLocaleString is not a function
12 | test('should handle timezone offset', () => {
> 13 | expect(formatDate(invalidDate)).toBe('...')
| ^
このエラーを Chat に貼り付けて:
@terminal のエラーを見てください。
formatDate 関数がなぜ toLocaleString is not a function エラーを
出しているか原因を特定し、@src/utils/date.ts を修正してください。
テストも通るように修正してください。
4-3. PR レビューの効率化
「@git の差分を確認して、このプルリクエストのコードレビューをしてください。
以下の観点でチェックしてください:
1. セキュリティリスク
2. パフォーマンス問題
3. テストカバレッジの不足
4. コーディング規約違反
5. 改善提案
問題点はあれば、修正コードも提示してください。」
4-4. ドキュメント生成
「@src/api/ 配下のすべての API エンドポイントを解析して、
OpenAPI 3.0 形式の仕様書 (openapi.yaml) を生成してください。
各エンドポイントのリクエスト・レスポンスの型は
@src/types/ の定義を参照してください。」
4-5. 便利なキーボードショートカット一覧
| ショートカット (Mac) | 動作 |
|---|---|
Cmd+K | インラインコード編集(選択範囲に AI 編集を適用) |
Cmd+L | Chat パネルを開く |
Cmd+I | インライン Composer |
Cmd+Shift+I | フル Composer パネルを開く |
Cmd+Shift+L | 選択コードを Chat に追加 |
Cmd+. | AI による Quick Fix |
Tab | 補完を受け入れ |
Escape | 補完を却下 |
Cmd+→ | 補完を単語単位で部分受け入れ |
Alt+\ | 補完を手動トリガー |
Cmd+Shift+P | コマンドパレット(VS Code と同じ) |
Windows / Linux の場合は Cmd → Ctrl に読み替える。
4-6. Rules for AI(グローバル設定)
プロジェクト固有の .cursorrules に加えて、全プロジェクト共通のルールを設定できる。
Cursor Settings → General → Rules for AI に記述:
- 日本語で回答してください
- コードには必ずコメントを日本語で付けてください
- セキュリティリスクのある実装は必ず警告を出してください
- ライブラリのインストールが必要な場合は先に確認してください
- 長い説明より短いコード例を優先してください
4-7. Notepads 機能
Cmd+Shift+N で Notepads を開ける。プロジェクトに関連するメモ・仕様書・TODO を書いておき、Chat のコンテキストとして @notepads で参照できる。
# Notepads の活用例
【DB スキーマメモ】
users テーブル: id, email, name, avatar_url, created_at
posts テーブル: id, title, content, author_id, published_at
comments テーブル: id, post_id, user_id, body, created_at
→ Chat で「@notepads のスキーマを参考に、
コメント数が多い投稿を取得する Prisma クエリを書いて」
5. GitHub Copilot・Claude Code との比較表
5-1. 機能比較
| 機能・観点 | Cursor | GitHub Copilot | Claude Code |
|---|---|---|---|
| インライン補完 | ◎(予測編集あり) | ○ | △(なし) |
| チャット | ◎(@記法でコンテキスト制御) | ○ | ◎(会話型) |
| マルチファイル編集 | ◎(Composer) | △(限定的) | ◎(自律実行) |
| コードベース検索 | ◎(ベクトルインデックス) | △(限定的) | ◎(全体把握) |
| プロジェクトルール | ◎(.cursorrules) | ○(copilot-instructions) | ◎(CLAUDE.md) |
| 利用モデル選択 | ◎(複数選択可) | ✗(固定) | ◎(Anthropic モデル) |
| IDE 統合 | ◎(エディタ自体) | ○(拡張機能) | △(ターミナル) |
| 自律タスク実行 | △(Composer のみ) | ✗ | ◎(エージェント型) |
| ターミナル連携 | ○ | △ | ◎(ネイティブ) |
5-2. ユースケース別おすすめ
┌────────────────────────────────────────────────────────┐
│ ユースケース別ツール選択 │
├────────────────────────────────────────────────────────┤
│ │
│ ✎ コードを書きながら補完が欲しい │
│ → Cursor(Tab補完)または GitHub Copilot │
│ │
│ 🔍 コードベース全体を理解した上で実装したい │
│ → Cursor(@codebase) │
│ │
│ 📁 複数ファイルを一括で生成・編集したい │
│ → Cursor Composer または Claude Code │
│ │
│ 🤖 「機能実装して」と言えば全部やってほしい │
│ → Claude Code(エージェント型) │
│ │
│ 👥 チームで VS Code から最小コストで移行したい │
│ → Cursor(VS Code完全互換) │
│ │
│ 💰 コストを最小化したい │
│ → Cursor Free プラン + Claude Code │
│ │
└────────────────────────────────────────────────────────┘
5-3. 組み合わせて使う(推奨構成)
多くのプロフェッショナル開発者は Cursor + Claude Code を組み合わせて使っている。
【推奨ワークフロー】
日常のコーディング(エディタ内作業)
→ Cursor
- Tab 補完でコードを素早く書く
- Chat でローカルな質問・デバッグ
- Composer で中規模な機能追加
大規模タスク・長期作業(コマンドライン)
→ Claude Code
- 「テストスイート全部書いて」
- 「この仕様書を読んで実装して」
- 「CI/CD 設定を最適化して」
- 「全ファイルのコーディング規約違反を修正して」
6. 料金プラン(2026年2月現在)
6-1. プラン比較
| プラン | 料金 | 主な特典 |
|---|---|---|
| Free | 無料 | 2,000 回/月の補完、50 回/月のスロー補完、制限付きチャット |
| Pro | $20/月 | 無制限補完、500 回/月の高速チャット(GPT-4o/Claude等)、Composer 利用可 |
| Business | $40/月/人 | Pro の全機能 + 管理ダッシュボード、SSO、利用状況管理、プライバシー保護強化 |
6-2. 無料プランでできること
Free プランでも十分に使えるケースは多い。
Free プランで可能:
✓ Tab 補完(2,000回/月)
✓ 基本的なチャット
✓ .cursorrules 設定
✓ コードベースインデックス
✓ VS Code 設定の引き継ぎ
Free プランの制限:
✗ 高速モデル(GPT-4o等)のチャットは月50回まで
✗ Composer の利用回数制限
✗ Claude 3.7 Sonnet 等のプレミアムモデルは制限あり
6-3. Pro プランが必要なケース
以下に当てはまれば Pro($20/月)を推奨:
□ 毎日 Cursor を業務で使っている
□ Composer でマルチファイル編集を頻繁に使いたい
□ GPT-4o や Claude 3.7 のフル性能を使いたい
□ 無制限の補完が必要(大規模開発)
月 $20 = 約 3,000 円 で開発効率が大幅に上がるなら
費用対効果は高い。1 時間の節約で元が取れる計算になる。
6-4. API キーを持ち込む(BYOK)
Pro プランの枠を超えて使いたい場合は、自分の API キーを Cursor に設定できる。
Cursor Settings → Models → API Keys
OpenAI API Key: sk-...
Anthropic API Key: sk-ant-...
Google AI API Key: AIza...
この場合、モデルの利用料は直接各社に支払うことになる。大量に使う開発者はこちらの方が安くなるケースもある。
7. まとめ・おすすめ設定
7-1. 導入ステップのまとめ
Step 1: インストール
brew install --cask cursor
Step 2: VS Code から設定を引き継ぎ
初回起動時の Import ウィザードで一括インポート
Step 3: AI モデルを設定
Settings → claude-3.7-sonnet を選択
Step 4: .cursorrules を作成
プロジェクトルートに .cursorrules を置いてルールを記述
Step 5: Rules for AI(グローバル)を設定
Settings → General → 言語設定・全体ルール
Step 6: キーボードショートカットを覚える
Cmd+L(Chat), Cmd+Shift+I(Composer), Tab(補完受け入れ)
Step 7: @記法を使いこなす
@file, @codebase, @terminal, @git を状況に応じて使い分ける
7-2. おすすめ settings.json 設定
{
// Cursor 関連
"cursor.chat.model": "claude-3.7-sonnet",
"cursor.composer.model": "claude-3.7-sonnet",
"cursor.cpp.enablePartialAccepts": true,
"cursor.cpp.suggestionsDelay": 100,
// VS Code 共通(移行後も有効)
"editor.formatOnSave": true,
"editor.codeActionsOnSave": {
"source.fixAll.eslint": "explicit"
},
"editor.inlineSuggest.enabled": true,
"editor.suggestSelection": "first",
// ターミナル
"terminal.integrated.defaultProfile.osx": "zsh",
// Git
"git.autofetch": true,
"git.confirmSync": false
}
7-3. 最初の 1 週間でやること
Day 1-2: Tab 補完に慣れる コードを書きながら Tab 補完を使い、予測編集の動作を体感する。
Day 3-4: Chat を積極的に使う エラーが出たら @terminal で Chat に投げてみる。コードの説明を求めてみる。
Day 5-6: .cursorrules を育てる プロジェクトのコーディング規約を .cursorrules に書き起こす。
Day 7: Composer を試す 小規模な機能追加を Composer で依頼してみる。差分プレビューの使い方を覚える。
7-4. Cursor を使い続けるために
AI ツールは プロンプトの質で結果が 10 倍変わる。以下を意識するだけで Cursor の活用度が大きく変わる。
【良いプロンプトの 5 原則】
1. 具体的に書く
✗ 「バグを直して」
✓ 「formatDate 関数が ISO 8601 形式の文字列を受け取ったとき
TypeError を出す。date-fns の parseISO を使って修正して」
2. コンテキストを渡す
→ @file, @codebase, @terminal を積極活用
3. 制約を明示する
「moment.js は使わないで」「既存のテストは壊さないで」
4. 出力形式を指定する
「TypeScript で」「コメントは日本語で」「テストも書いて」
5. 段階的に依頼する
一度に完璧を求めず、Step by Step で依頼する
おわりに
Cursor は単なる「AI 補完ツール」ではなく、コーディングワークフロー全体を AI と協働する形に変えるプラットフォームだ。VS Code との完全互換性により移行コストが低く、今日からでも導入できる。
2026 年のソフトウェア開発において、AI エディタを使いこなせるかどうかは開発者の生産性に決定的な差をもたらす。Cursor の特性を理解し、.cursorrules で AI を教育し、Composer でマルチファイル編集を自在に使いこなすことが、次世代開発者のコアスキルになりつつある。
まず Free プランで始めて、自分のワークフローに合うかを確かめてほしい。1 週間使えば、以前のコーディングに戻れなくなるはずだ。