エンジニアの経費完全リスト2026:フリーランス・副業で計上できるもの/できないもの


はじめに

フリーランスエンジニアや副業エンジニアにとって、経費の計上は最大の節税手段です。正しく経費を計上するだけで、年間数十万円の税金を削減できます。

しかし、「これは経費になるの?」「按分割合はどうする?」「freeeやマネーフォワードにはどう入力する?」といった疑問は尽きません。

この記事では、エンジニアが計上できる経費を勘定科目別に整理し、具体的な金額目安と会計ソフトでの仕訳方法まで解説します。

エンジニアの経費一覧(勘定科目別)

消耗品費

10万円未満のPC・周辺機器・ソフトウェアはすべて消耗品費として即時経費化できます。

経費項目金額目安経費可否按分
MacBook (10万円未満)✅ 全額不要
MacBook (10-30万円)✅ 少額減価償却不要
外部モニター¥30,000-80,000✅ 全額不要
キーボード¥5,000-30,000✅ 全額不要
マウス¥3,000-15,000✅ 全額不要
Webカメラ¥3,000-10,000✅ 全額不要
マイク・ヘッドセット¥5,000-20,000✅ 全額不要
USBハブ・ドック¥5,000-20,000✅ 全額不要
SSD・ストレージ¥5,000-30,000✅ 全額不要
ケーブル類¥1,000-5,000✅ 全額不要

ポイント: 10万円以上30万円未満のPC・機器は、青色申告の少額減価償却資産の特例を使えば、取得年度に全額経費化できます(年間合計300万円まで)。

通信費

インターネット回線やクラウドサービスの費用です。

経費項目金額目安/月経費可否按分
光回線(自宅兼事務所)¥4,000-6,000✅ 按分50-70%
モバイル回線(スマホ)¥3,000-8,000✅ 按分30-50%
ポケットWi-Fi¥3,000-5,000✅ 全額*
AWS/GCP/Azure¥1,000-50,000✅ 全額不要
Vercel/Netlify/Heroku¥0-5,000✅ 全額不要
ドメイン費用¥1,000-3,000/年✅ 全額不要
GitHub (有料プラン)$4-21/月✅ 全額不要
Figma (有料プラン)$12-75/月✅ 全額不要

*仕事専用の場合は全額計上可能

ソフトウェア・サブスクリプション

エンジニアが使うソフトウェアやSaaSの費用です。

経費項目金額目安/年勘定科目
JetBrains (IntelliJ/WebStorm)$149-249消耗品費
GitHub Copilot$100-390消耗品費
ChatGPT Plus$240消耗品費
Claude Pro$240消耗品費
Adobe Creative Cloud¥28,776-86,880消耗品費
Microsoft 365¥12,984-21,480消耗品費
1Password$35.88-95.88消耗品費
Notion Plus$96-120消耗品費
Linear$96消耗品費
Slack Pro$87.50消耗品費

地代家賃(自宅按分)

自宅を仕事場として使う場合、家賃の一部を経費にできます。

按分の計算方法:

方法1: 面積割合
  仕事部屋の面積 ÷ 自宅全体の面積 × 100 = 按分率
  例: 6畳の仕事部屋 / 3LDK(60㎡) = 10㎡/60㎡ = 約17%

方法2: 使用時間割合
  仕事時間 ÷ 在宅時間 × 100 = 按分率
  例: 8時間 / 16時間(起きている時間) = 50%

一般的な按分率の目安:

  • ワンルーム(仕事兼生活): 30-40%
  • 1LDK(リビングで仕事): 25-35%
  • 2LDK以上(専用仕事部屋あり): 15-25%

水道光熱費

電気代は按分で経費にできます。

経費項目按分率の目安
電気代30-50%(仕事時間割合)
ガス代0%(通常計上不可)
水道代0%(通常計上不可)

新聞図書費・研修費

技術書やオンライン学習の費用です。

経費項目金額目安勘定科目
技術書¥2,000-5,000/冊新聞図書費
Kindle Unlimited (技術書用)¥980/月新聞図書費
Udemy講座¥1,200-24,000/講座研修費
Coursera/edX$49-79/月研修費
カンファレンス参加費¥5,000-30,000研修費
技術系サブスク (O’Reilly等)$499/年研修費

旅費交通費

クライアント先への訪問や出張の交通費です。

経費項目備考
電車・バスICカード履歴で証明
タクシー領収書必須
新幹線・飛行機出張目的の記録
コワーキングスペースへの交通費通勤費として計上

その他の経費

経費項目勘定科目備考
コワーキングスペース地代家賃月額利用料
カフェ代(打ち合わせ)会議費1人5,000円以内
名刺広告宣伝費フリーランス名刺
ポートフォリオサイト費用広告宣伝費ドメイン+ホスティング
会計ソフト支払手数料freee/MF月額
税理士報酬支払手数料確定申告代行
振込手数料支払手数料事業用口座
損害保険保険料フリーランス賠償保険

経費にできないもの

以下は経費にできないので注意してください。

項目理由
所得税・住民税税金は経費にならない
健康保険料・年金社会保険料控除で処理
生活費(食費・衣服等)事業と無関係
駐車違反等の罰金違法行為の費用
私用のガジェット事業使用の証明がない
家族への給与(届出なし)青色事業専従者給与の届出が必要

freee/マネーフォワードでの仕訳方法

freee会計での按分設定

freee会計では、按分を自動計算できます。

  1. 「設定」→「家事按分」を開く
  2. 勘定科目(地代家賃、通信費等)を選択
  3. 按分割合を入力(例: 事業30%)
  4. 期間を設定
  5. 以降、該当科目の取引は自動で按分される

マネーフォワードクラウドでの按分設定

マネーフォワードでは、「家事按分」機能を使います。

  1. 「決算・申告」→「家事按分」を開く
  2. 「追加」をクリック
  3. 勘定科目・按分割合・期間を設定
  4. 確定申告書に自動反映される

按分の注意点

証拠を残す

税務調査で按分割合の根拠を求められる場合があります。

  • 間取り図: 仕事スペースの面積を明示
  • 作業時間の記録: タイムトラッキングツールのデータ
  • 仕事内容の記録: どの部屋で何をしているか
  • 写真: 仕事スペースの写真

按分割合は一貫性を持たせる

毎年按分割合を大きく変えると、税務署に疑問を持たれます。引っ越し等の明確な理由がない限り、一貫した割合を維持しましょう。

エンジニアの年間経費シミュレーション

フリーランスエンジニアの典型的な年間経費をシミュレーションします。

経費項目月額年額
家賃按分(30%)¥30,000¥360,000
光熱費按分(30%)¥3,000¥36,000
通信費按分(50%)¥4,000¥48,000
クラウドサービス¥5,000¥60,000
ソフトウェア¥8,000¥96,000
書籍・研修¥5,000¥60,000
交通費¥3,000¥36,000
消耗品(PC等)¥200,000
会計ソフト¥2,000¥24,000
その他¥2,000¥24,000
合計¥944,000

節税効果: 年間経費約94万円 × 所得税率20% = 約19万円の節税

これは最低ラインです。PC買い替えや引っ越し、カンファレンス参加等があれば、さらに経費は増えます。

経費計上でよくある間違い

【間違い1: プライベート兼用品を100%経費にする】
  ❌ 自宅のインターネット代を全額経費
  ✅ 業務使用割合(50-70%)で按分

【間違い2: レシートがないから計上しない】
  ❌ 電車代のレシートがないから諦める
  ✅ 出金伝票を作成して記録
  → 交通費・慶弔費等はレシートなしでも計上可能

【間違い3: 10万円以上のPCを一括経費にする】
  ❌ 25万円のMacBookを消耗品費で一括計上
  ✅ 青色申告なら30万円未満は少額減価償却資産として一括計上可能
  → 白色申告は10万円以上は固定資産(4年で減価償却)

【間違い4: 年末に慌てて経費を増やす】
  ❌ 12月に不要な物品を大量購入
  ✅ 必要な投資(PC買い替え・資格取得・セミナー参加)を計画的に

【間違い5: 消費税込みで記帳する】
  ❌ 税込経理で消費税を無視
  ✅ 税抜経理の方が経費判定で有利(30万円未満の判定が税抜金額で行われる)

経費を増やせる追加項目

【見落としがちな経費】
✅ ドメイン代・SSL証明書 → 通信費
✅ 技術書の電子書籍(Kindle等) → 新聞図書費
✅ コワーキングスペースのドロップイン → 賃借料
✅ 名刺印刷代 → 広告宣伝費
✅ クライアントへの手土産 → 接待交際費
✅ 健康診断(個人事業主は経費不可だが法人は可能)
✅ 個人事業税 → 租税公課(所得税は不可)
✅ 損害保険料(フリーランス賠償責任保険等)

【高額だが正当な経費】
✅ 海外カンファレンス参加費(渡航費含む)
  → DevCon / re:Invent / Google I/O 等
  → 航空券・宿泊・参加費を全額経費
  → ただし業務関連性の証拠(レポート等)が必要

✅ オフィス家具(椅子・デスク)
  → エルゴノミクスチェア ¥100,000 → 少額減価償却で一括
  → 昇降デスク ¥80,000 → 消耗品費

✅ 資格取得費用
  → AWS認定 ¥40,000 → 研修費
  → 応用情報技術者 ¥7,500 → 研修費

まとめ

エンジニアの経費計上のポイント:

  1. PC・ソフトウェアは全額経費 — 10万円未満は消耗品費、以上は少額減価償却
  2. 自宅按分は3項目 — 家賃(面積割合)・電気代(時間割合)・通信費(使用割合)
  3. クラウドサービスは全額経費 — AWS、GitHub、Figma等
  4. 証拠を残す — レシート・履歴・間取り図
  5. 会計ソフトで自動化 — freeeやマネーフォワードの按分機能を活用

正しく経費を計上すれば、年間20万円以上の節税が可能です。まずはfreee会計やマネーフォワードクラウド確定申告の無料トライアルで、経費の自動取込を試してみてください。

【経費管理の月次ルーティン】
毎月1日:
  ✅ 前月のクレジットカード明細を確認(自動連携)
  ✅ 現金払いのレシートを撮影・登録
  ✅ 按分比率の確認(引越し等で変更がないか)

毎月15日:
  ✅ 未分類の取引を仕訳
  ✅ 事業用/プライベートの振り分け確認

四半期ごと:
  ✅ 経費の推移を確認(前年同期比)
  ✅ 消費税の仮計算(課税事業者の場合)
  ✅ 大きな支出の予定確認(PC買い替え等は計画的に)

→ freee/マネーフォワードの自動連携を使えば月15分で完了

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